パパLOVE
「香澄ちゃんらしい」

「何それ」

「香澄ちゃんは何も知らなくていいの」

舞香はいつものように、私と腕を組むと寄り添ってきた。

「私もっ」

するともう片方の腕に詩美はしがみついて体を寄せてきた。


学校が終わると、バイトがあるので教室で舞香と詩美と別れて職場に向かった。

1人で歩いていると、3人で話した内容を思い出していた。

舞香も詩美もフォローしてくれてたけど、私のパパに対する感情は普通ではないし変だと言っていた。

私にはそれが理解出来なかったけど、知りたかった。

歩きながらずっとそのことを考えていた。

バイト先のファミレスに到着し、裏口から中に入ると店長が机に座ってデスクワークをしていた。

「おはようございます」

「おはよう。今日もよろしく頼むね」

「はい」

着替えを済まして時計を見ると、勤務開始の時間になるまでに20分くらいあった。

なので事務所の椅子に座ってジュースを飲んでいると、店長から声をかけられた。

「最近どう?」

「普通です」

「最近、お父さんはよくお店に来られるようになったね」

「はい」

「すごく仲の良い親子に見えるよ」

「親子ですか?恋人には見えませんか?」

「恋人?恋人に見られたいの?」

「見られたいです」

「そうなの」

「変ですか?」

「何が?」

「私のパパに対する感情が普通じゃない、変だって言われたんです。私がパパを好きなことを」

「好きっていう気持ちは変じゃないんじゃないよ」
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