助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
「うむ……こうして民が笑っていられるなら、この国はいい国なんだな。少し安心したよ。俺の未熟が、あるいは兄の欲が……この国をふたつに割る事だけは、避けなければならんな……」
ラルドリスは拳をぐっと握りしめ、宣言する。
「――よし、決めた。俺は王位に着くぞ。そして、この国を、さらに暮らしやすいものに変えて見せる。そのために、本気で手伝ってくれる人々を募るんだ。国だけでなく、俺は自分の周りも変えたい。余計なことに捉われず、この国と、仲間たちのために働きたいと思えるように……そうすることが、誇らしく思えるように」
今この時を迎えられた幸せを満喫する民を、ひたむきにその瞳は見つめている。
温かな熱を宿す、朱の瞳。
それを見て、メルの胸にもなんとも言えないじんわりとした熱さが、込み上げてくる。
彼が多くの人幸せにし、そして嬉しそうに笑うところが見たくなった。
「ならば、もっともっと色んなことを知ってくださいね。私が言えることではないですけど、より多くの国の人と接し、悩みや苦しみを分かち合い手を携えて、信頼を築いてください。裸の王様なんて嫌でしょう?」
「ああ、必ず。……そうだ、あの時の返事、まだ聞いてなかったよな?」
ラルドリスは拳をぐっと握りしめ、宣言する。
「――よし、決めた。俺は王位に着くぞ。そして、この国を、さらに暮らしやすいものに変えて見せる。そのために、本気で手伝ってくれる人々を募るんだ。国だけでなく、俺は自分の周りも変えたい。余計なことに捉われず、この国と、仲間たちのために働きたいと思えるように……そうすることが、誇らしく思えるように」
今この時を迎えられた幸せを満喫する民を、ひたむきにその瞳は見つめている。
温かな熱を宿す、朱の瞳。
それを見て、メルの胸にもなんとも言えないじんわりとした熱さが、込み上げてくる。
彼が多くの人幸せにし、そして嬉しそうに笑うところが見たくなった。
「ならば、もっともっと色んなことを知ってくださいね。私が言えることではないですけど、より多くの国の人と接し、悩みや苦しみを分かち合い手を携えて、信頼を築いてください。裸の王様なんて嫌でしょう?」
「ああ、必ず。……そうだ、あの時の返事、まだ聞いてなかったよな?」