助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
◇
「すまんな、少し邪魔する」
「で、殿下……! このようなところにようこそおいでくださいました」
ここは城内の備品倉庫。王城の調度品を管理する、多くの使用人で賑わっている。
かつてティーラと共にジェナの世話を務めた宮女ふたりの居場所を知ると、ラルドリスは、まっすぐにそこに足を向けた。
そして多くの使用人たちから物珍し気な視線を向けられつつ、声を潜め彼女たちに話しかける。
「すまないが、少し話を聞きたくてな。時間は取れるか」
「しょ、少々お待ちいただけますでしょうか」
宮女うちのひとりがごくりと喉を鳴らすと上役に確認しに行き……暇を貰ってきたのだろう、すぐに戻ってくる。
ラルドリスは城内の一室に場所を変え彼女たち――やや年嵩の宮女と、若い宮女のふたりを座らせた。
「俺がなにを聞きに来たのか、わかっているな?」
「……正妃様が関わられた事件のことでしょうか」
「すまんな、少し邪魔する」
「で、殿下……! このようなところにようこそおいでくださいました」
ここは城内の備品倉庫。王城の調度品を管理する、多くの使用人で賑わっている。
かつてティーラと共にジェナの世話を務めた宮女ふたりの居場所を知ると、ラルドリスは、まっすぐにそこに足を向けた。
そして多くの使用人たちから物珍し気な視線を向けられつつ、声を潜め彼女たちに話しかける。
「すまないが、少し話を聞きたくてな。時間は取れるか」
「しょ、少々お待ちいただけますでしょうか」
宮女うちのひとりがごくりと喉を鳴らすと上役に確認しに行き……暇を貰ってきたのだろう、すぐに戻ってくる。
ラルドリスは城内の一室に場所を変え彼女たち――やや年嵩の宮女と、若い宮女のふたりを座らせた。
「俺がなにを聞きに来たのか、わかっているな?」
「……正妃様が関わられた事件のことでしょうか」