助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
そこから探すのは、小屋の裏手の菜園から取ってきたばかりの、まだ新鮮な野菜たちだ。
「よーし、こいつにしよう!」
メルが籠の中から取り出したのは、黒々と艶のある手のひらサイズのナスである。
まだ皮は張りがあり十分に瑞々しい。それを握ると彼女は外に出ようとした。
「チュチュッ」
そこでリスのチタがいつも通りリュックのポケットに潜り込もうとしたので。メルはその首根っこを摘まみ上げ、そっとテーブルの上に置いてやる。
寂しいが、彼とは少しの間お別れだ。
「ごめんね……しばらくここへ帰ってこれないかも知れないんだ。だからチタはここでお留守番しておいてちょうだい? あなたも生まれた森を離れたくはないでしょう?」
「チュイ……」
「よーし、こいつにしよう!」
メルが籠の中から取り出したのは、黒々と艶のある手のひらサイズのナスである。
まだ皮は張りがあり十分に瑞々しい。それを握ると彼女は外に出ようとした。
「チュチュッ」
そこでリスのチタがいつも通りリュックのポケットに潜り込もうとしたので。メルはその首根っこを摘まみ上げ、そっとテーブルの上に置いてやる。
寂しいが、彼とは少しの間お別れだ。
「ごめんね……しばらくここへ帰ってこれないかも知れないんだ。だからチタはここでお留守番しておいてちょうだい? あなたも生まれた森を離れたくはないでしょう?」
「チュイ……」