助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
思った通りの生き方ができる人間なんて、そうはいない。
それを思うがまま、すべてを操り神の様に生きれたなら、それはきっととても胸がすくような、またとないものになるのだろう。
「――お姉様、私は」
「メルローゼ! 来なさい、こちら側へ!」
ティーラの指先がさらにふたりの間の距離を埋める。
それが近付き、かつての妹の身体にまさに、触れんとした時。
「……嫌です!」
――パシン……と大きな音を立て、メルはそれを大きく振り払った。
そして、自分の意思で告げる――完全な決別を。
「あの時、私は死ぬような思いをしました……ナセラ森の優しい魔女が助けてくれなければ、今こうしてお姉様と再び会うことはなかったでしょう。けれど、そんなことはもういいんです……。ただ……」
それを思うがまま、すべてを操り神の様に生きれたなら、それはきっととても胸がすくような、またとないものになるのだろう。
「――お姉様、私は」
「メルローゼ! 来なさい、こちら側へ!」
ティーラの指先がさらにふたりの間の距離を埋める。
それが近付き、かつての妹の身体にまさに、触れんとした時。
「……嫌です!」
――パシン……と大きな音を立て、メルはそれを大きく振り払った。
そして、自分の意思で告げる――完全な決別を。
「あの時、私は死ぬような思いをしました……ナセラ森の優しい魔女が助けてくれなければ、今こうしてお姉様と再び会うことはなかったでしょう。けれど、そんなことはもういいんです……。ただ……」