助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
「私からはなにも……。罪を偽装したことを認め、ジェナ様を元の生活に戻してくだされば」
「そう。ならば、言う通りにするわ」
真実を話すことを約束した彼女はその場に座り、誰かが来るのを待つようだ。
久しぶりにマーティル家の姉妹は、ふたりきりで対面する。
「あの……もしかして国王様の体調不良も、あなたが?」
「残念ながら、そのことに私は関与していない。思えば王族との婚姻を結べれば、地位としては十分だった。欲をかき過ぎたのね」
「マーティル家の人たちは、どうしていますか?」
「さあね。家に送ったお金で好きなようにしているんでしょう。父も母も、優秀な子が欲しかっただけだから。あんなつまらない家、どうでもいい」
それはとても静かな時間だった。ことが起こる前は、こんなに落ち着いた気持ちで再会した姉と話すことになろうとは、思いもしなかった。まるで姉が、遠くに旅行にでも行っていた妹の話を尋ねているかのような。
「私があなたの始末を命じた後、どうなったの?」
「森に打ち捨てられ、偶然魔女に救われた後はずっと彼女の下で……。私はそこで、初めて家族の温もりを知りました」
「そう。ならば、言う通りにするわ」
真実を話すことを約束した彼女はその場に座り、誰かが来るのを待つようだ。
久しぶりにマーティル家の姉妹は、ふたりきりで対面する。
「あの……もしかして国王様の体調不良も、あなたが?」
「残念ながら、そのことに私は関与していない。思えば王族との婚姻を結べれば、地位としては十分だった。欲をかき過ぎたのね」
「マーティル家の人たちは、どうしていますか?」
「さあね。家に送ったお金で好きなようにしているんでしょう。父も母も、優秀な子が欲しかっただけだから。あんなつまらない家、どうでもいい」
それはとても静かな時間だった。ことが起こる前は、こんなに落ち着いた気持ちで再会した姉と話すことになろうとは、思いもしなかった。まるで姉が、遠くに旅行にでも行っていた妹の話を尋ねているかのような。
「私があなたの始末を命じた後、どうなったの?」
「森に打ち捨てられ、偶然魔女に救われた後はずっと彼女の下で……。私はそこで、初めて家族の温もりを知りました」