助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
そのすぐ後だった。舞台の方角から息せき切って来た青年が、立ち上がったメルの背中に抱き着いたのは。
「やった、やったぞ! 多くの人が俺の言葉を真剣に受け取ってくれた! この国のためにこれからたくさんやれることがあるんだ! こんなに……嬉しいことはないよ!」
その様子を見れば分かる。彼は、多くの臣下の支持を得て、次期国王となることが決まったのだ。舞台奥では何か騒ぎが起きている。もしかするとザハールが往生際悪く文句を言い立てているのかもしれない。
「よく無事で……。魔術師を倒し、俺を守ってくれたのだな……お前を信じてよかった……」
ラルドリスは感極まり、赤く潤んだ眼をこすると、戦いで乱れたメルの肩に顔を埋める。
「本当に仲がいいのね、あなたたち」
ティーラがくすくすと笑う様子を見て、ラルドリスは不審そうに彼女に尋ねかけた。
「ティーラ・マーティル。毒殺を偽装し、我が母に罪を被せようとしたことを、認めるか?」
「やった、やったぞ! 多くの人が俺の言葉を真剣に受け取ってくれた! この国のためにこれからたくさんやれることがあるんだ! こんなに……嬉しいことはないよ!」
その様子を見れば分かる。彼は、多くの臣下の支持を得て、次期国王となることが決まったのだ。舞台奥では何か騒ぎが起きている。もしかするとザハールが往生際悪く文句を言い立てているのかもしれない。
「よく無事で……。魔術師を倒し、俺を守ってくれたのだな……お前を信じてよかった……」
ラルドリスは感極まり、赤く潤んだ眼をこすると、戦いで乱れたメルの肩に顔を埋める。
「本当に仲がいいのね、あなたたち」
ティーラがくすくすと笑う様子を見て、ラルドリスは不審そうに彼女に尋ねかけた。
「ティーラ・マーティル。毒殺を偽装し、我が母に罪を被せようとしたことを、認めるか?」