助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
「……おおっ! 花が……開いてゆく。季節外れのものもあるのに」
少しの魔力をメルから受け取り、庭の草花が、生育を早送りするように茎をのばし、蕾を付け、そして鮮やかな花を咲かせてゆく。
「皆、小さかった頃からあなたを見ていたから……立派に育ってくれて、嬉しいみたいです」
「そうか……。ありがたい。覚えてくれていたんだな」
花で出来た額縁の中には、大輪の向日葵が花を咲かせる。
ラルドリスはそれに触れながらはにかむ。
「光を受けようと真っ直ぐに伸びるこの花を、俺は子供の頃よく見上げ、手を伸ばしていた。自分らしく、曲がらずに生きていきたい。そんな憧れが胸の中にずっとあったんだ」
そしてその種は鳥や獣に運ばれ、また別の土地で希望を咲かせる。
前へ進む……そんな気持ちがそこからは伝わって来るような気がする。
「ありがとう。お前たちの気持ち、確かに受け取ったよ」
少しの魔力をメルから受け取り、庭の草花が、生育を早送りするように茎をのばし、蕾を付け、そして鮮やかな花を咲かせてゆく。
「皆、小さかった頃からあなたを見ていたから……立派に育ってくれて、嬉しいみたいです」
「そうか……。ありがたい。覚えてくれていたんだな」
花で出来た額縁の中には、大輪の向日葵が花を咲かせる。
ラルドリスはそれに触れながらはにかむ。
「光を受けようと真っ直ぐに伸びるこの花を、俺は子供の頃よく見上げ、手を伸ばしていた。自分らしく、曲がらずに生きていきたい。そんな憧れが胸の中にずっとあったんだ」
そしてその種は鳥や獣に運ばれ、また別の土地で希望を咲かせる。
前へ進む……そんな気持ちがそこからは伝わって来るような気がする。
「ありがとう。お前たちの気持ち、確かに受け取ったよ」