助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね
シーベルがにこやかに片目を閉じると、手を叩いて数人の侍女を呼び寄せる。
「あなたにはこれより、殿下にお仕えする侍女となっていただきます。しっかり淑女としての振る舞いを覚えていただきましょう。ではお前たち、彼女の世話をよろしく」
「「かしこまりました。さあさ魔女様、こちらへ」」
「そ、そんなぁ……!」
そうしてメルは部屋からやや強引に押し出されていった。
てっきりこのまま魔女姿で通すつもりだったのに……。慌てに慌ててしまう彼女だが、確かに立派な身なりの彼らと行動を共にするには、この黒ローブは見栄えが悪すぎる。
「私たちにお任せくださいませ。一両日もあればあなた様を立派な淑女に仕立て上げて御覧に入れますわ」
(ああもう、どうにでもなれ……)
長年の森暮らしが染みついた彼女に侍女の真似事など可能なのか甚だ疑問だが、自分から申し出たのだから、やるしかない。侍女に脱衣所にてすぽすぽと服を脱がされたメルは、花の香りがする大きな浴槽へ放り込まれた。
どうしたものか蹲る彼女に、石鹸の泡で腕を擦ってくれていた侍女のひとりが話を振った。
「あなたにはこれより、殿下にお仕えする侍女となっていただきます。しっかり淑女としての振る舞いを覚えていただきましょう。ではお前たち、彼女の世話をよろしく」
「「かしこまりました。さあさ魔女様、こちらへ」」
「そ、そんなぁ……!」
そうしてメルは部屋からやや強引に押し出されていった。
てっきりこのまま魔女姿で通すつもりだったのに……。慌てに慌ててしまう彼女だが、確かに立派な身なりの彼らと行動を共にするには、この黒ローブは見栄えが悪すぎる。
「私たちにお任せくださいませ。一両日もあればあなた様を立派な淑女に仕立て上げて御覧に入れますわ」
(ああもう、どうにでもなれ……)
長年の森暮らしが染みついた彼女に侍女の真似事など可能なのか甚だ疑問だが、自分から申し出たのだから、やるしかない。侍女に脱衣所にてすぽすぽと服を脱がされたメルは、花の香りがする大きな浴槽へ放り込まれた。
どうしたものか蹲る彼女に、石鹸の泡で腕を擦ってくれていた侍女のひとりが話を振った。