君の隣にいられたなら。
帰りずらい雰囲気。
少し困ってしまう。
いっそのこと、お話ししながら勉強しちゃってもいいかな?
先輩に失礼?
でもこの人、人いない図書室で寝るような人だよ?
……だめかな?


「そのストラップ、駅のガチャガチャに合った」
「ショッピングモールで取りましたよ」
「そうなんだ。かわいいね」
「そうですよね〜!」


大きな声になってしまって、思わず手で口を塞ぐ。
そんな私を見て、夏葵はぷっと吹き出す。


……笑われてしまった。
へんな子だと思われちゃった?


カバンについているうさぎを握りしめて、じーっと見つめる。


「好きなんだね、そのうさちゃん」
「好きです。これ春仕様のやつで〜頭についてるリボン、ピンクのフリルついてるんです、分かります???」


話を続けてくれた先輩に思わず嬉しくなってしまってペラペラと口が回ってしまう。


「うん、可愛いね」


……あれ、私、知らない先輩に何やってるんだろう。


「……勝手に嬉しくなっちゃってすみません」
「いーえ。話しかけたの俺だし、楽しんでくれてるなら嬉しい」
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