君の隣にいられたなら。
そしてその2日後。
彼が言っていた通り、案外早く彼とは再会した。


「あ、秋野ちゃん。やっぱ来たんだ?」
「別に、先輩に会いに来たわけじゃないですよ……?」


わかってるよ〜なんて笑う先輩、名前忘れちゃった。
昨日はいなかったけど、今日はいるみたい。
案外出没頻度高いんだな〜なんて呑気に思ってみたけど。
……私、勉強しに来てるんだよなあ。


「てか、聞いたよ。茉白ちゃん、首席合格らしいじゃん」
「えっ、誰からそんなこと聞いたんですか?」
「綺音だけど」


まさかの名前でフリーズ。


……この人、綺音の事知ってるんだ?
ていうか、仲良い、のかも。


一瞬顔がこわばってしまった私を見逃さず、ごめんね、と先輩は眉尻を下げて謝る。


「噂されてるみたいでやだったよね。
茉白ちゃんのこと知りたいって思っちゃって」
「あんまり、綺音に私のこと話すの、やめてください」


反射的にそんなことを言ってしまう。


言い方、よくなかったかな、なんて即座に反省した。


「じゃあ、茉白ちゃんが直接教えて、俺に」


前回と同じ席に座るように手を出して、机に身を乗り出す。
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