君の隣にいられたなら。
「今のところ、茉白は何にもされてないみたいだから良いけど、私、先輩のこと信用はできないよ」
「……」
「別に、茉白の言う先輩を信用してないわけじゃないけど、事実として、そういう話があるくらいだから、私的にはそりゃ信用できないでしょ」


実里は厳しいことを言う。
先輩がそんな人だとは知らなかった。
これについては、知らなかった私が悪い。
何もされてないのに失礼かもしれないけど、多分不用心。


だけど、ほんとうに。私視点での先輩は、悪い人じゃない。
そう思えば思うほど、頭おかしくなりそうだった。


でも、この事実を知ったおかげで、辻褄が合うことが一つあるのも、事実だった。
私の左手がポケットの中でくしゃっと髪を握りつぶす。


「……とにかく、今の茉白に綺音も先輩も、必要ないよ。近づかないほうがいい」


実里はため息混じりにそう言った。
私のいちごミルクはとっくの昔になくなっていて、右手でからのパックをずっと揉んでいるだけだった。
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