君の隣にいられたなら。
まあ、これくらいは、と言ったときの横顔が無性にかっこよくて殴りたくなった記憶がある。
「玉入れと、綱引きの補欠」
「あ、よかったじゃん。綺音ってば流石だね」
快気祝いに今日はクレープね、と言って去っていく実里。
私はそれに手を振って、ぼんやりいろんなことを考えた。
綺音のこととか、先輩のこととか。
だけど、何も思考は進まなかった。
やっぱりまだ、全快してないのかなあ。
……学校行きたくないとか思っただけあるなあ。
お昼休み、置き土産みたいに机の中から出てきたカッターに人差し指を深く刺した。
どくどくと溢れる血に少し焦ったけど、慌てて保健室に行って絆創膏をもらうと、少し滲んだけどしばらくして血は止まった。
放課後、図書室に行こうと、歩みを進めていた。
先輩にお礼を言わなきゃって思った。
好きな人、っていう発言をどうにか躱わせたら最高だな、と考えていたけど、なるようにしかならないので深く考えるのはやめた。
歩いている途中で、綺音と出会った。
綺音は、少しムッとした顔で早歩きの私の前に立ちはだかった。
「どうしたの?」
「……もう、夏葵のとこ行くの辞めない?」
貼り付けた笑顔が私の瞳をとらえた。
「でも、お礼言わなきゃ、」
「……嫌がらせ、止んでないじゃん」
「玉入れと、綱引きの補欠」
「あ、よかったじゃん。綺音ってば流石だね」
快気祝いに今日はクレープね、と言って去っていく実里。
私はそれに手を振って、ぼんやりいろんなことを考えた。
綺音のこととか、先輩のこととか。
だけど、何も思考は進まなかった。
やっぱりまだ、全快してないのかなあ。
……学校行きたくないとか思っただけあるなあ。
お昼休み、置き土産みたいに机の中から出てきたカッターに人差し指を深く刺した。
どくどくと溢れる血に少し焦ったけど、慌てて保健室に行って絆創膏をもらうと、少し滲んだけどしばらくして血は止まった。
放課後、図書室に行こうと、歩みを進めていた。
先輩にお礼を言わなきゃって思った。
好きな人、っていう発言をどうにか躱わせたら最高だな、と考えていたけど、なるようにしかならないので深く考えるのはやめた。
歩いている途中で、綺音と出会った。
綺音は、少しムッとした顔で早歩きの私の前に立ちはだかった。
「どうしたの?」
「……もう、夏葵のとこ行くの辞めない?」
貼り付けた笑顔が私の瞳をとらえた。
「でも、お礼言わなきゃ、」
「……嫌がらせ、止んでないじゃん」