君の隣にいられたなら。
胸がいっぱいになった。
本当に嬉しかった。
嘘でも、綺音が私のことを好きだと言ってくれたことが嬉しかった。


だけど、同時に怖くなった。
咄嗟に人差し指を握りしめた。


「……私、もう綺音の気持ちには応え、られないよ」
「それは何?俺に怪我させたから?」


コクリと頷く。
綺音は眉を下げた。
それから、そっかとつぶやいた。


私の恋は、終わったんだなあと他人事みたいに思った。
その後急に自分のことなんだって思って、それから涙が止まらなくなった。


そんな私の涙を綺音は拭うことはしなかった。
だけど、ポンっと私の頭に手を置いた。


「俺、ごめんだけど、諦めるつもりないから。茉白が感じてる責任、絶対無かったことにするから」


優しい顔でそう言うと、しばらくして泣き止む私を見届けてその場を去っていった。
そのまま私は図書室に行く気分になんてなれなくて、綺音と少し時間をずらして、家に帰った。
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