君の隣にいられたなら。
美人局にでもあって、モテる自分を恨んでほしい。
……やっぱり嫌かも知れない。


「どこかいくの?」
「図書室」
「旧校舎の?」
「人いないかなって思って」
「勉強するんだ?」
「ん」


真面目だなあ、と笑う綺音は、今日は用事があるようでさっさと帰っていった。


私も本来の目的を思い出して、図書室に向かった。


放課後。そろそろ学校で落ち着いて勉強するスペース探さないとな、なんて思っていた時に見つけた、旧校舎の方の小さな図書室。
管理自体はされているみたいだけど、古い本ばかりが並んでいて、人も全然いない。


今日もあんまり、人いないな……。


音を立てないように図書室に入ると、1番奥の自習スペースに入った。
見えるのは、1人だけ。


「茶髪……」


しかもかなり明るい。
校則的にはどうなんだろうなんて思う。


「……人のことジロジロ見ちゃって失礼だね」
「あ、え、ごめんなさい」


お、起きてたーーーー……。
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