悪魔なあなたと結婚させてください!
「おばちゃんごちそうさまでした」

食器を返却口へ持っていって声をかけると、おばちゃんがにこやかに近づいてきた。

「幸ちゃん、ちょっと痩せた? ダイエットでもしているの?」
そう聞かれるとちょっとだけ恥ずかしいけれど、事実なので頷いた。

「そう。とうとう幸ちゃんにもいい人が現れたのね?」
おばちゃんの感は鋭い。

ついでに感受性が豊かすぎるようで、すでに目に涙を浮かべている。
「そ、そんなんじゃないって」

慌てて否定するけれど、おばちゃんは聞いていない。
うっうっと泣き声を上げて「すっかりキレイになって」なんて言っている。

まだまだ80キロ以上あるのに痩せてと言われても。
幸は複雑な気持ちで苦笑いを浮かべたのだった。
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