悪魔なあなたと結婚させてください!
☆☆☆

「お疲れ、幸」
「明里もお疲れ。プレゼンどうだった?」

最近会社がある日は毎日屋上へ向かう。

そこには大抵明里がいて、幸が2キロ分ランニングするのを見ていてくれる。

「まぁまぁ、かな」
明里は自信がなさそうに眉を下げて答える。

先日明里の初めての商品プレゼンがあったはずだ。

新商品を考えている明里は、自分の考えた文具が形になるかどうかの一世一代だったはずだ。

「そっか。それでもやり遂げたんだよね?」
「うん。私にできることは全部やったつもり」

「それならきっと大丈夫だよ。結果がどうでても、満足できると思うから」
って、そんなこと私には言われたくないか。
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