悪魔なあなたと結婚させてください!
たしかあのデータは朋香の管理で、朋香のパソコンにか入っていないはずだ。

だけど消したと言ってもどこまで消したんだろう。
もしかしたら復元できるかもしれない。

そう思いつつ自分の作業を進めていると。
「さ、佐藤さんに……もうその資料はいらないからって言われました!」

朋香の言葉に耳を疑った。
自然と手が止まり、朋香と上司へ視線を向ける。

他のみんなの視線は自分に集まっているのがわかった。
『またお前が余計なことをしたんだな』

そんな風に思われていることが、嫌というくらいに伝わってくる。
「え、私……?」

思わず腰を浮かせていた。
青ざめた朋香がジッとこちらを睨みつけている。

いや、私はなにも言ってないし!
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