悪魔なあなたと結婚させてください!
それでもやめなかった。
ここでやめたら、この会社での自分の立場は永遠に変わることがないと、わかったから。

変わりたいなら、自分で動かないといけないのあとダイエットと通して知ったから。
「それにさっきの藤本さんの呟きは聞こえていましたよね」

指摘すると和美が気まずそうに顔をそらせた。

「私に責任をなすりつけておけば後はどうにかなる。あのふたりは今までもそうしてきました。部長だって気がついていたはずです!」

声が震えて、足も立っているのがやっとだった。
それでも上司の目を真正面から見据えて言った。

言わなきゃいけない場面だと思ったから。
「そ、それは……」

いつも幸を罵倒している上司がひるみ、視線を泳がせる。
自分が理不尽に幸を叱ってきたことをちゃんと自覚している証拠だ。

「あの……」
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