悪魔なあなたと結婚させてください!
それもこれも、会社以外ではアレクが常に一緒にいるからだった。
アレクに見られていると思うと、自然とジャンク品に手を伸ばしにくくなってきた。

怒られるとか呆れられるということもあるけれど、少しでもアレクと並んでも見劣りしないようになりたいという気持ちが強いからだった。

「だけど今は吹き出物はほとんどなくなってる」
そう言われれば最近化粧のノリがいい。

ブツブツとしていた肌に手をやると、ツルンッと滑るようだ。
「食生活を改善したからだ」

「あ、ありがとう」
褒められ慣れていない幸はしどろもどろに返事をする。

「こんな女を花嫁に迎えるなんて死んでもごめんだと思っていたけれど、これだけ努力ができるのなら期待も膨らんでくるな」

それは褒めているんだろうか。
複雑な気分で顔をしかめている間に、野菜炒めはほとんど完成した。

まぁとにかく少しずつ変化していっている。
幸はそう思って気合を入れ直したのだった。
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