悪魔なあなたと結婚させてください!
仕事のミスをなすりつけられそうになったから、反論したまでだ。

だけどふたりからすれば今まででなんの口答えもしなかった幸に口答えされて腹が立ったんだろう。

そんなの知ったことではないけれど。
「なにしたって結局誰もあんたの言うことなんて信じないから」

和美がグイッと体を寄せてくるので思わず後ずさりをしてしまう。
「そうだよ。人は見た目が10割なんだから」

朋香が笑いながら言う。
デブでブスの言葉は誰も聞いてくれない。

確かに幸自身もそう思ってきた。
だから諦めて、やられることを受け入れて、我慢してきた。

「だけど昨日は私を養護してくれる人もいた」
< 123 / 207 >

この作品をシェア

pagetop