悪魔なあなたと結婚させてください!
☆☆☆

壊されたバレッタをすべてかき集めて袋に入れた幸は1日中うつむいて過ごした。
屋上で明里に心配されてもなにも話すことができず、ランニングも休んでしまった。

ダイエットを通して強くなったと思っていた心は、実はこんなにも弱く、もろいものだった。

「なにを落ち込んでいる」

帰宅後すぐにベッドに潜り込んでしまった幸にアレクはいつもどおり話かける。
だけど幸は答えなかった。

昨日もらったばかりのバレッタを壊されたなんて、情けなくて言えない。

今度こそ呆れて出ていかれてしまうかもしれない。
「もしかしてバレッタの件か?」

そう聞かれて幸はベッドから飛び起きていた。
「どうしてそれを」
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