悪魔なあなたと結婚させてください!
怒りと、ほんの少しの恐怖もあったかもしれない。
中川が引き連れていた男性社員たちから笑い声が漏れる。

普段は中川のことを慕っている彼らも、鼻につくような性格をしている中川が女性にフラれるのを目撃して楽しんでいるのだろう。

幸はまだ残っている野菜定食のプレートを手に立ち上がった。
一気に食欲は失せていたし、このまま中川と同じ空気をすっていることも嫌だった。

料理を残してしまったことを申し訳なく感じながらも、幸は社食を後にしたのだった。
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