悪魔なあなたと結婚させてください!
☆☆☆

昼間の出来事をアレクに伝えると、そのときの怒りがまた蘇ってきた。
「結局あの人って見た目だけで判断してたんだよね」

幸の人気が急上昇している今、幸と付き合うことができたら自慢できるとでも考えたのだろう。

さらには1度自分を好きになった女性は、今でもまだ自分のことを好きでいると思いこんでいる。

そんなはずはないのだ。
あれだけのフリ方をしておいて、今さらすぎる。

「中川か。あまり意識していなかったが、気をつけた方がいいかもしれないな」
アレクが顎に手を当ててつぶやいた。

「きっとプライドの高い男なんだろう。みんなの前で恥をかかされたと思っているかもしれない」

「そんな! 私はこれでも我慢したのに」
怒鳴ってやりたいのをどうにかこらえた。
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