悪魔なあなたと結婚させてください!
幸が大勢の中で人の陰口を言ったこともなかったので、明里はどう対応すればいいのか決めかねている様子だ。

それでも幸はお叶いなく話を続ける。
今まで同じように笑いものにされてきたんだ。

あのふたりが許されて、自分が許されないことなんてあるはずがない。

幸は細い足を組んで男性社員たちにみせびらかしながら「それにさぁ、人事部の中川さんいるじゃん? 確かにカッコイイよくて昔は好きだったけど、今は全然好きじゃないんだよねぇ。なのに勝手に告白してこられて本当に迷惑したんだよね」と、今度は中川のことを話題に出す。

「幸、それくらいにしときなよ」
「どうして? 私、本当のことを言ってるだけだよ?」

「でもさぁ……」
「私は間違ったことなんてしてない!」
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