悪魔なあなたと結婚させてください!
今の状態でアレクまでいなくなったら私はどうすればいいの?
朋香も和美も中川も幸の味方じゃない。

明里だって、もう幸と一緒にはいてくれないかもしれない。
アレクがいなくなったらまた自分はひとりぼっち……?

「そんなのやだ!」
叫ぶと同時に部屋を駆け出していた。

外はいつの間にか雨になっていたけれど、気にせず外へ飛び出す。
傘もささずにアパートの周辺を探し始めた。

「アレク、アレクどこ!?」
叫んでも叫んでもアレクは見つからない。

道行く人々が好奇の目を幸へ向けるけれど、それを気にしている余裕もなかった。
雨はだんだん強さを増してきて視界も悪くなっていく。

雨音によって自分の声がかき消されないように懸命に名前を呼ぶ中、気が付かない家にまた涙がボロボロとこぼれだしていた。
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