悪魔なあなたと結婚させてください!
古本屋
今日も散々な1日だった。
会社から出た幸は少しだけため息を吐き出す。

狭いオフィス空間で重たい空気に体がぺちゃんこになってしまいそうだった。

それにしても、今日はひどかった。
午前中にデータを消されたことを思い出すとまた腹の虫が蠢き始める。

あのふたりはこれから先もエスカレートしてくかもしれない。
どうにかしてほしいけれど、肝心の上司は使い物にならない。

それなら人事部に相談して……そこまで考えて中川の顔を思い出し、また心臓がドクンッと跳ねた。

朋香と和美からすればイケメンなんて吐いて捨てるほど見てきているだろう。

だけど幸からすればこんなに近くに中川のそうな男性がいることが珍しく、ときめかずにはいられない存在だった。

「って、そんな話じゃなくて」
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