悪魔なあなたと結婚させてください!
叶う
警察署から解放されたのはすっかり真夜中になってからのことだった。
アレクと幸が部屋に戻ってきたのにはすっかり疲れ切ってしまっていた。

濡れた体もタオルでふいただけでそのままだったのですぐにお湯をため始めた。

「見てたの?」
落ち着いてからアレクに質問すると、アレクは短く頷いた。

「もうとっくに部屋に戻っているはずのお前がいないから、確認してみたんだ。そしたらあんなことになっていて……あいつには気を付けろと言ったはずだ」

そういうアレクは怒っているように見えた。
幸は自分の甘さに落胆してため息をつく。

「ごめんなさい。まさかアパートの近くにいるとは思わなくて」

「あいつは自分のプライドをズタズタにしてきたお前を追いかけてきたんだろうな。まるでストーカーだ」
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