悪魔なあなたと結婚させてください!
自分で自分にツッコミを入れて思考を戻す。
本当にあのふたりに関してはどうにかしてもらわないといけない。

仕事はろくにせずに人のことをバカにしてばかりだ。
あんな状態で会社に居座られたって、みんなも迷惑するだけだろう。

なによりも、幸をバカにしたあの態度!!
自分たちの容姿がいいからって人をバカにしてもいい理由にはならない。

他人の容姿をからかって笑いものにするくらい卑劣なことだってないはずだ。
「クソッ」

小さくつぶやいて目の前の小石を思いっきり蹴りつけた。

こんなにイライラしているのに明日も明後日も会社へ行こうとしている自分が信じられない。

元々文具は大好きだったけれど、すっかり文具オタクになっていたみたいだ。
「おい、なにしってんだ!」

不意に前を歩いていた見知らぬサラリーマンが近づいてきて幸は足を止めた。
相手は顔を赤くさせて目を吊り上げているから、怒っていることは明白だった。
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