悪魔なあなたと結婚させてください!
見知らぬOLが肩を震わせて笑いながら通り過ぎていく。
「おい、聞いてんのかよブス!」

デブ。
ブス。
ダサイメガネ。

そう。
私はそういう容姿をしている。

153センチなのに90キロもあるし。
スーツはパツパツで今にもボタンが弾け飛びそうだし。

ストレス発散でおかしばかり食べているから吹き出物が消えることもない。
でもそれってそんなに悪いこと?

みんなからバカにされて、仕事の邪魔をされても仕方ないこと?
幸はグッと奥歯を噛み締めて駆け出していた。

さっきのサラリーマンがなにか言っているけれどもうなにも聞こえてこない。
< 23 / 80 >

この作品をシェア

pagetop