悪魔なあなたと結婚させてください!
「おじゃまします……」
昔ながらの引き戸を開けて中に入ってみると、ほんの埃っぽさが鼻をついた。

だけどそれも嫌いじゃない。

狭い店内には天井まで届く本棚が置かれていて、どれもギッシリと本が詰まっている。

「すごい。どれもこれも古い本ばっかり」
古本屋といえど最近では新刊が並んでいるところも多くある。

だけどここはそもそもとても古い本ばかりを取り扱っているようだ。
どれもこれも、幸が生まれる前に出版されたものばかりだ。

読んだことのない本に囲まれてなんだか胸がドキドキしてくる。

狭い店内をギュウギュウと体を推し進めていると、『オカルトコーナー』にたどり着いてしまった。

古くから伝わる呪いや都市伝説の本がズラリと並ぶ。
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