悪魔なあなたと結婚させてください!
少し油っこさが気になったけれど口の周りをベトベトにしていたってここには幸しかいないから気にならない。

口の中の油をビールで流し込めばもう完璧だ。
友達なんていなくても、恋人なんていなくてもこうして自分で自分を幸せにすることができる。

テレビではお気に入りの芸人が面白いことを言って笑わせてくれるし、自分の人生にダメなところなんてなにもないように感じられる。

その時、テレビ画面には今人気の女性モデルが現れた。
ミニスカートから除く白くて細い足にスタイジオ内でどよめきが上がる。

幸の好きなお笑い芸人が必死に彼女をおだてて褒める。
モデルは褒められ慣れているようで、なにを言われても同じ笑顔でかわしている。

「なによ。ちょっと美人だからって調子に乗ってさ」
幸はおつまみのスルメを咥えて毒を吐く。

こういう美人はブサイクな人間を見下してバカにしているんだ。

自分だって年をとれば同じようにブサイクになるのに、そんな未来を想像することもできないバカばっかりだ!
< 30 / 80 >

この作品をシェア

pagetop