悪魔なあなたと結婚させてください!
召喚する
仕事が終わると他の社員たちはすぐに会社から出ていってしまった。
1人残った幸はようやくデスクから立ち上がり、大きく伸びをする。

別に残業があったわけではないけれど、みんなと同じタイミングで外へ出ると飲み会云々の話をきかされそうだったからだ。

「明日は休みだし、映画でも見よう」

最近ハマっているのは韓国ドラマだけれど、今放送しているものはすべて見終えてしまった。

たまには恋愛映画を見るのもいいだろう。
鼻歌交じりに着替えを済ませて外へ出ると、すでに暗くなってきていた。

足早に駅へ向かい、帰宅ラッシュの見知らぬ人たちと一緒に揺られて帰る。

休日の前だからか電車内の人は少なくて、座っている人の表情もなんとなく柔らかいような気がする。

明日は休みか……。
それなら昼までのんびり眠ることができる。

幸は車窓から外を景色を見つめて、そう考えたのだった。
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