悪魔なあなたと結婚させてください!
「それから、どうするんだっけ」
本を見ると召喚するためには魔法陣の中に入って呪文を唱えるとある。

幸は魔法陣を消してしまわないように慎重にその絵の中に体を移動した。
そして本に書かれている文字を読み上げる。

ところどころ文字がかすれていて見えないけれど、まぁいいや。
それっぽく遊んでいるだけだし。

「さぁ、これで悪魔が現れるんでしょう!」
どうにか難しい呪文を唱え終えて天井へ向けて声をかける。

なんとなくだけれど、悪魔を呼ぶと上の方からやってくるような気がしたから。
でも、悪魔だから地下から来るとか?

今度は自分の足元へ視線を写す。
そこには大きな自分のお腹があるだけでなんの変化もなかった。

窓の外はとてもいい天気で、散歩をすれば気持ちよさそうだ。
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