悪魔なあなたと結婚させてください!
見るとカウンター内でここのオーナーらしき男性がさっきの店員に話しかけている。

「いつも沢山買ってくれる人ですよ」
男性店員はオーナーをたしなめるように言う。

けれどオーナーは店内に幸がいることには気が付かずに「デブはやっぱり買い物も多いんだなぁ!」と、大笑いだ。

自然と握りしめていた拳に汗が滲んでくる。
ドクドクと心臓が高鳴り、気がつけばコンビニから逃げ出していた。

自分が太っていること。
吹き出物だらけなこと。

かけているメガネがダサイこと。
目が小さいこと。

そんなのわかっている。
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