悪魔なあなたと結婚させてください!
「あ、え……?」
それは間違いなく幸が描いた魔法陣で、なんか呪文も唱えた気がする。

これによって呼ばれたということは……?
幸は目を見開いて男をマジマジと見つめる。

黒ずくめの服は足首まである長いコートで、襟が立っている。
コートの裾からヒラリと見えている革靴ももちろん黒。

髪色も黒で、肌の色だけが異様に白く、透明感がありすぎて逆に不健康そうに見える。

でも、よく見てみたらものすごいイケメン!
同じ会社の中川なんて取るに足らないと感じられるレベルだ!

幸はようやく自分の部屋に上がって、近くでその男を観察した。
悪魔なんだろうか?

それにしては悪魔っぽいしっぽとか、羽とかはついていなさそうだ。
本当に悪魔?

半信半疑で見ていると男が嫌そうに顔を歪めた。
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