悪魔なあなたと結婚させてください!
つい忘れられてしまいそうな雰囲気だったのでアレクが釘を刺す。
「え? でも拒否できないんだよね?」

「できない。できないが……今のお前では無理だ」
キッパリと言い切るアレクに幸の目が曇る。

うつむき、今にも泣き出してしまいそうだ。
「嫁になるためには、花嫁修業が必要のはずだ」

更に付け加えられた言葉に幸は顔を上げた。
その目にはすでに涙が滲んでいた。

「これからはお前にその花嫁修業というやつをしてもらう」
「花嫁修業をすれば結婚してくれる!?」

グイッと体を寄せてくる幸からスッと離れるアレク。
決して近づけないようにしているのがわかる。

「考えなくもないな。でもお前の場合は……」
アレクがスッと右手を上げて幸の胸辺りを指差した。
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