悪魔なあなたと結婚させてください!
「一番直さないといけないところは、性格だと思う」
「せい……かく?」

今まで散々見た目をからかわれ、バカにされていた。
だけど性格のことは言われていなかったのに。

幸は鈍器で頭を殴られたような衝撃を感じて固まった。

「性格の悪さが見た目にも出てきているんだろう。後、自分を甘やかしすぎた結果だな」

玄関に投げ出されたコンビニ袋へ視線を向けてアレクは言う。
袋の中からはお菓子のパッケージが覗いていた。

「で、でも。食べることは唯一の楽しみだし、ストレス発散にビールも飲みたいし」

説明する幸の肩が震える。
友達も恋人もいない。

家族も遠くに暮らしている。
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