悪魔なあなたと結婚させてください!
「俺さぁ、入社してすぐのときに佐藤さんに告白されたんだよねぇ」
不意に中川の声が聞こえてき幸の体は硬直した。

全身が凍りついてしまったように動かない。
「え、嘘!?」

和美が驚いた声を上げ、朋香も興味津々に目を輝かせている。
どうして今ここで、そんな話をするんだろう。

冷や汗が流れ出して止まらない。
誰が誰のことを好きでも構わない。

だけどデブでブスは例外。
誰が誰に告白しても構わない。

だけどデブでブスは例外。
これはこの世の掟のようなものだった。

幸はそれを破ってしまった。

自分の容姿を鑑みずに、中川に自分の気持を伝えてしまったことがある。
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