悪魔なあなたと結婚させてください!
制服は会社の更衣室で着替えているから、アレクにその姿を見せたことはなかった。

幸は後ずさりをしてアレクを見つめる。
「そうやってずっと私を監視してたってこと!?」

「俺もそんなに暇じゃない。時々様子を見ていたくらいだ」
アレクはそう言うとまた歩きだす。

幸は納得できない気分でその後をおいかけた。
「私がなにを食べたのかわかってて質問したの?」

「その場面は見てなかった。午後の仕事中におちょくられていたところをみたんだ」

幸はグッと下唇を噛み締めた。
確かに、午後から朋香と和美のふたりがまた幸にちょっかいを出してきた。

でもそれは幸がコピーを取った資料を踏みつけられた程度のことだった。
それくらいなら日常的にある嫌がらせだった。

「いやがらせされることにやけに慣れてるみたいだったな」
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