悪魔なあなたと結婚させてください!
幸の気持ちを汲み取ったように言われてドキリとする。
本当になんでもお見通しといった様子だ。

「それなら見返してやればいいものを」
アレクが呆れたようにため息を吐き出す。

「そんなこと、できたらやってる!」
思わず声が大きくなる。

幸だって、ずっとずっと我慢してきたわけじゃない。
やり返したり言い返したりしてきた。

それでもあのふたりはやめなかったし、少しも反省した様子はなかった。
なにを言っても無駄なんだ。

そう悟ったから、なにも言わなくなっただけだ。
「自分が努力してるとでも?」

アレクの冷たい声に幸は青ざめる。
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