何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
遼は追いかけようと車から降り、ブロック舗装の上に走り出た。
が、男の姿はこつ然と商店街のアーチの下から消えた。ブロック舗装の道を抜け出た後、国道の歩道を左右どちらかの方向に進んでいったはずだが、あたりを見回しても人影一つ無かった。


商店街に戻り、男が出てきたわき道に入ってみると、そこは六台ほど停車できる月ぎめ駐車場になっていて、黒いビートルが停められていた。あのメガネの痩せた男はこの近隣に住んでいる、そう確信した。

遼は物色するようにビートルの周りを一周した後、ふと我に返った。
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