何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
悪い癖が出た、と思った。


遼は、自分自身も呆れてしまう臆病なところがあった。

花が見知らぬ誰かと話していたあの場で、店のドアをあけ、誰と話しているのか確認すればいいだけのことだった。なのに、相手が花の男だったとしたら…、そう考えただけで遼は怖くなってその場を離れてしまった。真実を知ることを恐れたのだ。

にもかかわらず、その相手をこっそりと追いかけ、正体を暴こうとしている。

自分に対して、真実に向き合うまでの時間の猶予を持たせてやろうとしているだけなのかもしれなかった。

遼の胸の内に吹き始めた臆病風と、花の身辺にかかわることは全て知りたいと言うねじ曲がった溺愛の感情が、遼に尾行といった歪んだ行為をさせている。

そのことに気づいた遼は大きくため息を吐き、パーキングにもどると車に乗り込んだ。
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