何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
ドアの隙間から覗いた柚香の小さな顔が、にやりと微笑んだ。

「なんでもないのか。よかった…驚いたよ」

「怒らないのね」

「可愛い教え子を怒れないよ。どうぞあがって。僕はこんな格好だから、冷たいものでも飲んで、ちょっと待ってて」

遼はバスローブのまま台所に柚香を通し、冷蔵庫からコーラのペットボトルを取りだして渡した。

服を着るために台所を出ようとしたところを、後ろから柚香が腕を回して抱き着いて来た。

「先生、なんにもしないで家まで送るなんて、意地悪だよ」

「意地悪なのは君だ」

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