何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
言ってから、これは誤解を呼ぶと気づく。

ともに焦らし合いを楽しんでいると思われたらどうする?

遼は慌てて付け足した。

「僕が奥さんのいる身なのを分かっていて困らせる」

これもまた誤解を呼びそうだ。これでは彼女に弄ばれるのを楽しんでいる風にも聞こえてしまう。

…何と言ったらいい?


戸惑う遼の隙をつき、柚香がバスローブのひもを掴んだ。ひもが腰のループからぬけそうになり、遼は咄嗟に掴み返した。

「先生、昨夜あのあと、どこか行ったの?奥さんのところ?」

「そうだよ。柚香、手を離して」
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