何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
玄関にやって来た柚香は、これからの展開に胸を弾ませるようにワクワクした面持ちで言った。



───彼女にとってこれはスリリングな遊びでしかないのだ。僕にとっては一生にかかわる問題だと言うのに。


今ここで、自分の正直な思いを伝えて誤解を解かねば、と遼は柚香の両腕を掴んでその顔をまっすぐ見つめた。


「柚香、とても言いにくいことだけど、僕は君を好きだと言う感情は全くない」


遼はひと息に言った。


「うそ。先生は私を好きだけど戸惑っているだけよ」


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