何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
すすり泣き始めた柚香を抱きしめようとして、思い切り平手打ちを食らった。


「そういう優しいところが、ずるいんだって」


柚香はとげのある声で遼を突き刺すと、玄関にしゃがみこんでうずくまった。


男女の関係において、何事もあいまいにごまかしてきた遼にとっては、これまでにないことだった。一人の女性を傷つけてしまった。震える柚香の背中を見つめて、頬も、心臓も、ひりひり痛んだ。



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