何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
ひろ子はちょっと自慢げに若い男の方を見た。男は嬉しそうに遼に向かって頭を下げた。



打ち合わせを終え、駐車場まで遼を見送りに出てきたひろ子に遼は言った。

「彼は、今の彼氏?」

「いい子よ。若くて」
ひろ子はわざとあいまいに答えて微笑んだ。若くて…と言った時の声が嫌に淫靡だった。

「確かに、将来有望で頭も良くて美青年だ。僕はかなわないな」

ひろ子と長く続いた肉体だけの関係を、突然一方的に終わらせた遼としては、若い男と比較されると言う手痛い仕返しも甘んじなければならない立場だった。
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