何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
もちろん、僕はもう二度と会いません。

花さんのお考えは、直接本人から聞かれたほうがいいと思います。花さんはおそらく、旦那さんのお宅にいると思います」

 
羽住から事情を聴いた遼は、居てもたってもいられなくなり、書類を手に席を立った。



「旦那さん」

会計を終えたマスターが呼び止めた。


「僕が言うのもなんですが、花さんはこの店に最後に来た日、あなたとのことをのろけていました。あなたと二人だけで暮らすのが楽しみで仕方ない様子でした」


そう言うと遼をじっと見てうなずいた。


「マスター、迷惑かけたね」

遼は店を出て、車に乗り込んだ。

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