何があってもどこにいても、僕は君だけを愛してる
「羽住って男に会った。これ、渡してくれって」

「…羽住さんと、話したの?」

「ああ、以前君との間であった出来事も聞いた。でもそれはもういい。過去のことだ」

花は両手で顔を覆い、あのときは本当にごめんね、と言った。

遼がその手を取って顔から外すと、花は困ったような顔でつづけた。


「じつはね、店を一人で回すのが大変だからアルバイトを雇おうかと考えたの。でも、お給料が払えるか心配で、マスターに相談したの」


「それで、羽住さんにも相談することになったんだね」


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